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サロン100回記念コンペ開催 “国際基準で採点してわかったこと——国内外で変わる評価の行き先”

100回の区切りに「ライブジャッジ」

昨夜、オンラインサロンでは初となるサロン内コンペのライブジャッジを行いました。 きっかけはサロンが100回に到達したことです。月2回の夜開催で、ついに5年目へ突入。


コロナ禍、初回は28名で始まり、現在は73名まで広がりました。応援くださる皆さまに心から感謝いたします。

審査体制:ハワイからのゲストと国際基準

今回は私に加え、ゲスト審査員として友人のLester Miyashiro(icon Awards ダブル・マスター、WPPI時代に審査員経験)を招きました。Lesterの作品は奇想天外で独創的。生み出された作品には、いつも圧倒されます。私がいまの自分に至る過程で、彼の作品をレタッチャーとして参加した経験が大きな学びになっています。


日本時間20時開始は、ハワイでは午前1時。小さな子供もいるなか、深夜参加に心から感謝です。

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進行:1作品ずつコメント → 採点 → 必要ならチャレンジ

  • 100点満点の国際コンペ方式で採点しました。

  • Lesterと私が交互に講評し、それぞれ点数を提示。

  • 両者の点差が5点以上の場合は**チャレンジ(再検討)**というルールです。

結果としてチャレンジは0。両者の点数は非常に近く、差が出ても2点程度でした。裏を返せば、評価が割れるほど“尖った個性”の作品は少なかったのかもしれません。次回のチャレンジに期待したいところです。

なぜ大差がつきにくいのか:評価軸の共有

多くのコンペで結果が大きく割れることは稀です。西洋美術の系譜に沿った客観的審査(構図・光・色・階調・主題性・一貫性・完成度)をベースにしているため、評価軸が共有されれば着地は自然と近づきます。

実は先日、国内コンテストに対し、SNSで次のような手厳しい声を拝見しました。

「最近のコンテストは、海岸での石拾いのようなものが入選している」「撮影技術のかけらも、作者の作意も感じない」「審査する側の誠実さがない」

残念ながら、私も国内では評価の乖離を何度も体験してきました。国内最高峰とされる場で落選しながら、海外コンペで1位を複数回いただく——そんなこともありました。だからこそ審査員は、コンペの権威を守るだけでなく、写真文化を前に進める役割を常に意識すべきだと思います。主催のメーカー・団体にも様々な思惑はあるはずですが、**「文化の発展」**を片隅に置いていただけたらと願います。(ちなみに落選すれば縛りも無くなるので、海外に応募しました。海外では同じ作品を複数のコンペに応募することは、作者の権利として認められています)

今回見えた良点と課題

良かった点

  • 講評がリアルタイムで届き、作者の意図と審査軸の接点が可視化された

  • 2名審査でもブレが少なく、参加者が次の一手を描きやすい

  • 日本では、ほとんど存在しなライブ・ジャッジを体験できた


課題

  • 普段のクリティークに比べると応募数が少なかった/コンペを意識し過ぎた?

  • チャレンジにつながるほどの独自性/作家性をもっと見たい

  • 作者側は**“意図→手段”の順**で設計し、作意の言語化を一段強く

  • 作品タイトルは作品を補間するアイテム/伝えたい内容が解らない時にタイトルが補助できていなかった



そして、夜は続く

今朝は海外コンペのジャッジ開始の案内も届いていました。当分は夜ごとに、世界中から応募された作品と真剣勝負です。——というわけで、グランツーリスモはしばらく封印になりそうです。w そうそう、サロンに興味を持たれた方は、こちらからどうぞ〜

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