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ジャッジの視点

コンペに応募している人の多くは、きっとこう思っているに違いありません。

「どうすれば入賞できるんだろ?」「どうすれば、1位になれるんだろ?」

はい。私もコンペに挑戦を始めたことろは、そう考えました。

いろいろと考え応募しますが、結果は良くならず逆に入選の確立は下がるときもありました。


でも挑戦から2年が経とうとしたとき、それは突然やって来ました。

世界でもっとも審査基準の厳しいと言われる、アメリカのコンペWPPIで1位と3位を同時に受賞したのです。

受賞するまで、そんな自信はまったくありませんでしたが、思い返せばその作品を作ったときは、「もしかしてこう言うことなのか?」と、作品に何を足して、何を引けばいいのか解りかけていました。


その後入賞を繰り返すうちに、その何かが確信に変わりました。それからは、ほぼ毎回上位入賞するようになりました。その経験があったから、上位入賞を続けることが出来たのだと思います。


いま日本から多くの人が海外のコンペに挑戦する様になっています。入賞し喜ぶ人もいれば、落選し肩を落とす人もいます。落選が続くとモチベーションを高く持ち続けるのは難しいものです。でも忘れないでください。人は失敗から多くのことを学びます。いま、苦しい思いをしている時間は決して裏切りません。必ず芽を出し、つぼみとなり、花を咲かせ、実となります。


私がダブル・フェローシップの資格認証を受けたBIPP(英国プロ写真家協会)のフェローでジャッジをしている Dr Paul Wilkinson がジャッジは何を見ているかを書いて公開してくれましたので、シェアしたいと思います。このリンクからダウンロード出来ます。英語のPDFなので、日本語訳を貼っておきます。ただし!日本語訳が仮におかしかったとしても、私に文句は言ってこないでください。文句はChatGPTへどうぞ😆





審査員の視点から


「なぜあの画像が評価されたのか?」

「なぜ画像の技術的な側面が審査員にとって重要なのか?」

「シャープなピント合わせがそこまで重要視される理由は?」

「なぜ用紙の選択が問題になるのか?」


審査員は常にこうした質問を受けます。

そして避けられない、答えの出ない質問は

「クライアントが非常に気に入ってくれたのに、なぜ私の画像は評価されなかったのか?」

というものです。

これらの質問には多くの回答がありますが、ここでは審査員の視点から完全な形で説明します。

提供:Dr ポール・ウィルキンソン(BIPP協力)



・賞の目的

まず、写真コンペティション(プリントまたはデジタル画像)は、ゴールド、シルバー、ブロンズといった優れた作品から、さらなる改善が必要な作品まで順位付けを行う試みであることを理解してください。素晴らしい作品を出品しても、あなたは常に他の写真家と競争しています。

審査員は各画像を注意深く検討し、時間と注意をかけてスコアを決定します。



・審査基準

各コンペティションには公開されている審査基準があり、ルールと特性を確認してそれに従うことが大切です。


ヨーロッパの3つの主要な団体が公開しているジャッジの視点
ヨーロッパの3つの主要な団体が公開しているジャッジの視点


・影響力(インパクト)

どのコンペティションでも影響力は非常に重要です。偉大な画像は見る人に即座に感情を引き起こします。悲しみ、興奮、喜び、エネルギー、平和、驚き、笑い、涙など、審査員の注意を引きつける何かが必要です。

初めて審査員が画像を見る瞬間が最も重要で、SNSなどで事前公開を控えることが推奨されます。



・創造性とスタイル

画像に審査員の注意を持続させる独自性があるかが問われます。既視感を避け、独自性を持たせることが求められます。



・プレゼンテーションとレイアウト

画像を単に撮るのではなくデザインするという意識が重要です。

プリントの場合、画像の配置、用紙の色や質感、枠の有無などが審査員の第一印象に影響します。安っぽい紙ではなく、高品質な紙を選び、プリント品質にも注意しましょう。



・照明

写真は光の表現であり、立体感、雰囲気、存在感を提供する照明が求められます。被写体に適した照明の硬さや柔らかさ、写真家の照明のコントロールが評価されます。



・色とトーンのバランス

色やトーンが画像の役割を果たしているか、意図的にコントロールされているかが重要です。カラーかモノクロかを選択する際、色が画像のストーリーを助けるかどうかを判断します。



・レンズの選択

レンズの選択が画像に与える影響を審査します。レンズによる歪みや遠近感が効果的であるか否かが評価されます。



・明るいスポット

画像内で最も明るい部分が意図した被写体であることを確認します。手など意図しない部分が明るくならないよう注意しましょう。



・トーンのコントロール

ハイライトやシャドウにディテールが欠けないよう確認し、白飛びや黒つぶれは意図的でな

ければ避けるべきです。



・ピント合わせ

被写体の目が鮮明でない画像は高評価されません。意図的でないピンボケ画像は即座に減点されます。



・ホコリや汚れ

画像を細部までチェックし、ホコリや汚れを除去しましょう。審査員が気付くことのないように注意が必要です。



・画像端のディテール

画像の端に不要なものが映り込んでいないか注意します。椅子、標識、人物の手などは特に注意が必要です。



・ブレ

意図的でない手ぶれや被写体ぶれは評価されません。創造的意図が明確な場合のみ許容されます。



・画像の重複

類似画像を複数提出するとインパクトが薄れるため、最も良い1枚を厳選しましょう。



・異質性の過剰

違いを追求し過ぎて本質を見失わないように注意しましょう。



・新生児の安全

赤ちゃんの健康や安全を損なうポージングは許容されません。赤ちゃんの快適さを最優先しましょう。



・細部への注意

指輪、ネックレス、髪の毛などの細部を丁寧に調整することが求められます。



・背景処理

背景を追加する場合は違和感がないよう細心の注意が必要です。



・モアレとバンディング

布地のモアレやグラデーションのバンディングは避けましょう。



・クローン(修正)の完璧さ

画像修正は完全に見えないように行うことが求められます。



・シャープさの過剰

シャープネスが過剰だと減点対象となります。適切なシャープネスを心掛けましょう。



・作品を飾る

作品を日常的に眺めることで細部の問題点を発見できます。



・余裕を持った準備

時間をかけて準備し、問題点を事前に発見・修正しましょう。



・作品の最終確認

必ずプリントを自分で最終確認してください。



・盗作厳禁

他人の作品のコピーや著作権侵害をしないこと。



研究の重要性

受賞作品を研究し、自分の成長に繋げること。



・最後に

結果が思わしくなくても落胆せず、次回に備えましょう。

審査員への批判を避け、自分自身を大切にしてください。



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