書道と写真
- 故島永幸
- 5月11日
- 読了時間: 2分
天羽汕景さんの書道展へ行ってきました
出社前に、書道家・天羽汕景さんの書道展「書宴」に行ってきました。

書の世界に足を踏み入れると、まずその空間全体が静寂に包まれているような感覚が広がります。
汕景さんの作品は、一筆一筆に魂が込められているようでした。強弱のある筆遣い、余白の美しさ、そして力強さの中に潜む繊細さ。その全てが、彼女の表現の深さを物語っています。

印象に残ったのは、大きな和紙に書かれた作品。墨の濃淡が絶妙であることはちろんのこと、風で優しく揺れる様まで計算していたと思える書体が、完全に一体化して優しく、静かに佇むその一枚には、時間の流れや季節の移ろいさえ感じられるほど。まるで私を優しく包み込んでくれる様な錯覚に陥りました。

また、展示の中には、縦一列に長く書かれた般若心経がありました。まるで、はしごを登るように見える木のフレームに藍染めと思われる和紙に金字で書かれた装丁は、悟りを開くための道のりを表現している様でした。

私自身、写真を通して表現する者として、汕景さんの作品から学ぶことは多くありました。書と写真、一見異なる世界のようでいて、どちらも伝えたい事を紙の上で表現する点では共通しています。天羽さんの書は、彼女の想いを墨と筆を通して、優しく語りかけてきます。
書道展を後にしながら、私もまた一枚の写真に込める想いを改めて考えさせられました。
残念ながら、書道展は本日16:00までですが、皆さんもぜひ、一度天羽汕景さんの書道展に足を運んでみてはいかがでしょうか?心に響く一筆が見つかるかもしれません。
場所:徳島県美馬市うだつの町並み 吉田邸
入場料:510円
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