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何を学ぶべきか。

私はセミナーを受講する際、まずその講師が撮影した写真を確認します。なぜなら、写真にはその人の哲学が表れるからです。



写真撮影は仕事です。その仕事ぶりから、その人がどのように仕事と向き合っているのかが見えてきます。

例えば、人物を撮影しているフォトグラファーなら、ポージングを見ればどれだけ学んできたかが分かります。女性を撮る際、多くの人が気にする「細く見えるか?」という点も、ポージングで改善できますよね。

何気なく行う頬杖のポーズも同様に、ポージング次第で顔が腫れぼったく見えてしまうこともあります。


さらに、レタッチの仕方にもその人の姿勢が現れます。レタッチは際限なくやり続けることができますが、それをどこで止めるか。その判断を見れば、仕事への取り組み方が見えてくるのです。


プリントを見る機会があると、さらに深くその人の哲学を感じ取ることができます。データ上では気にならなかった部分が、プリントでは浮き彫りになることがあります。


デジタル化が進んだ今も、データはあくまで電子情報に過ぎません。私にとって、プリントこそがフォトグラファーの作品と呼べる唯一の存在です。どんなペーパーを使い、どんな出力機を使っているのかも重要なポイントです。



良い作品を作り続けているフォトグラファーの話は、ぜひ直接聞きたいものです。なぜなら、その哲学や生き様を本人の口から聞くことで、より深くその作品の背景を理解できるからです。

写真業界は少子化や経済状況の影響で先細りしています。その中でどう生き残るか。フォトグラファーたちは必死です。写真関連イベントでは、多種多様なセミナーが開催されています。技術的な内容からマーケティングまで幅広いテーマが取り上げられていますが、受講者に忘れないでほしいことがあります。


ラファエロの三美神
ラファエロの三美神

まず、技術を学んでください。自然光、ストロボ、レンズワーク、現像、プリント…学んだことは反復練習してこそ自分のものになります。

リンゴを桃に持ち替えた日本的三美神はラファエロへのオマージュとして作りました
リンゴを桃に持ち替えた日本的三美神はラファエロへのオマージュとして作りました

次に、感性を養うことを意識しましょう。人の写真を真似ることは技術習得には役立ちますが、感性を磨くためには不十分です。読書や美術館巡り(写真以外の作品)がおすすめです。歴史に残る作品には、見た目の上手さだけでなく、作家のメッセージが込められています。





最後に、マーケティングです。通販番組で購入したものの、使わずにホコリをかぶっている商品、ありませんか? マーケティングだけが上手い売り方は、リピート購入にはつながりません。むしろ評判を落とす原因にもなります。


セミナーを選ぶ際は、まず技術、次に感性、最後にマーケティング。この順番を意識して、講師を選んでください。マーケティングのうたい文句に惑わされず、まずは写真を見て判断しましょう。

私は海外コンペで審査員を務める際、一度の審査で1500枚ほどの写真に点数を付けます。今は年間6度の審査をしているので、おそらく日本国内でもこれほどの枚数を見ているフォトグラファーは少ないのではないかと思います。だからこそ、自分の目にはそれなりの自信を持っています。

もし「写真を見て判断できない…」という時は、まずは私のセミナーに参加してみてください!笑 (これ や これ



フォトグラファーという道を選んだ皆さんへ、今日も徳島から心をこめてエールを送ります。

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