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フォトグラファーではなく、ストーリーテラーを目指せ。私のウェディングアルバム全構成、公開します。

8月13日
読了時間: 5分

前回の記事に、続いてよいアルバムを作るための撮影。

アルバムについて書いた前回の記事に、思いのほか多くの反響をいただきました。ありがとうございます。


引き続き、もう少し掘り下げて書いてみたいと思います。




私がアルバム編集で最も気を使うこと——それは「抑揚」です。

アルバムは、ページをめくるたびに感情が動く仕組みでなければ、感動は得られません。


盛り上がりっぱなしでは疲れる。静けさだけでは眠くなる。映画や小説と同じで、山と谷があってこそ、見る人の心が動き続けます。


私がウェディングアルバムを作るとき、その抑揚を意識しながら1ページずつ組み立てています。




1ページ目——序章。

1ページ目は、これから始まる物語への序章です。


見た人が「さあ、始まる」と感じられるような写真を散りばめ、始めます。




2ページ目——お仕度シーン。そして、新婦父。

2ページ目は、緊張感漂う新郎・新婦のお仕度シーンです。


このページに、私が必ず入れる一枚があります。


新婦父、です。


長年の経験から、結婚式という場において最も複雑な心境を抱えているのは、この人だと気づきました。きっかけは、ある新婦父から聞いた本音でした。


「手塩に掛けて育てた娘を、どの馬の骨かもわからないヤツに、なんでくれてやらなければならないのか!」娘の結婚を、どことなく喜べない葛藤というより、寂しさに満ちた眼。


それを知って以来、私は結婚するお二人の次に、常に新婦父に気を配るようになりました。撮影当日は、その表情をそっとうかがいながら動いています。新婦母にそれとなく聞くと、「そうなんです、少し前から何か変で」と返ってくることが少なくありません。


その複雑な感情は、確かに表情に滲み出ています。だから2ページ目には、新郎新婦のお仕度と並べて、父と娘の物語も入れます。

結婚式の新婦父
挙式前の新婦父。どことなく寂しさを感じます。



3ページ目——いよいよ挙式、入場。

スローシャッターで流し撮りした新郎の入場。動きのある一枚でライブ感を演出します。

結婚式に入場する新郎
流し撮りで、ライブ感を演出

キービジュアルは新婦が父のエスコートで入場するシーンです。


このとき私が狙うのは——仏頂面の父と、涙を流す新婦です。そして他のサブには、新郎が右手でグッと握りしめたグローブとその奥に、入場する新婦と父のフォルムが重なる絵。覚悟と感情が見開きに収まる構図を対比させ、その見開きページを何度となく視線がぐるっと回って、キービジュアルに戻るデザインにします。


結婚式で緊張する新郎
新郎の決意や覚悟が力強く見える手


4ページ目——感情を抑えるページ。

賛美歌を歌うシーンは、広角で会場の全景をキービジュアルに。牧師、ご両親、そして会場後方からシンメトリーに幾何学的紋様で撮ったものを周りに配置します。


ここは意図的に感情を抑えるページです。

盛り上がりの後に、静けさを置く。この間(ま)があるからこそ、次のページでまた感情が動きます。




5ページ目——指輪交換。

指輪を美しく見せるために、指輪を持つ手は必ず下から回して頂きます。これはあらかじめ練習して頂きます。。


サブカットに署名シーンや結婚証明書のアップを添えながら、このページのメインは——指輪をはめてもらった瞬間の花嫁の微笑みです。柔らかくベールが花嫁を包む、その演出とともに。




6ページ目——挙式のクライマックス。

挙式のテンションが最高潮に達します。


ベールアップは広角で捉え、これから始まることにゲストがどんな面持ちで待っているか、表情とともに収めます。すぐに中望遠へ持ち替えます。誓いのキスは、唇が触れ合う直前の一瞬をキービジュアルに。そしてキス後の笑顔をサブに添えます。会場によっては、場所を移動して。 花嫁はこのキスのあと、必ず安堵の笑みを浮かべます。それも逃しません。また、花嫁の友人の中には、拍手を送りながら涙を流す女性が必ずいます。それも撮り逃してはいけません。もちろん、拍手するご両親も。


近いのキスのあとの花嫁
誓いのキスのあと、安堵の表情を浮かべる新婦


これだけでは、良いアルバムは作れません。

ここまで書いてきましたが、勘違いしないでください。


この構成はあくまで「骨格」です。


1枚1枚の構図、そのための撮影技術、現像処理、プリントの品質、印画紙の選択、アルバムの装丁——これらすべてが揃って初めて、良いアルバムは完成します。どれか一つが欠けても、伝わるものが変わってしまいます。




フォトグラファーではなく、ストーリーテラーを。

ウェディングフォトグラファーを目指す方々に、ひとつお願いがあります。


目指してほしいのは、「フォトグラファー」ではなく「ストーリーテラー」です。


撮影や、レタッチの技術は持っていて当然。見る人の感情をどう動かすか——その演出ができる人になってほしいのです。


そして最高の結婚写真を求めるカップルの皆さんへ。フォトグラファーを選ぶ際の、ひとつのヒントにしていただければ幸いです。たとえ、サンプル・アルバムが他人の結婚写真であっても、感動を覚えるさせる様なアルバムを作るフォトグラファーは存在します。




最後に。

徳島県美馬市は人口わずか26,000人の、小さな町です。


そんな田舎から、日本の写真を真剣に変えようとしているフォトグラファーがいる——そのことを、覚えていてもらえたら嬉しいです。 そして、アルバムを作る時間が無いというフォトグラファーさんへ。 FUNDY DESIGNER を使用すればPhotoshopで大変だったアルバムのレイアウトが20倍に高速化できます。だまされたと思って使ってみてください。無料でダウンロードしてお試しいただけます。 使用方法はYoutubeで観られます。

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