イギリスで感じた「日常の衝撃」と、日本が忘れてしまった景観への誇り
- 故島永幸

- 15 時間前
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イギリスで目の当たりにした衝撃は、写真に収まるような景色だけではありませんでした。それは、何気ない日常の中にも潜んでいました。
1. 信号は「自己責任」?スリル満点の交通事情
まず驚いたのは、歩行者信号を守らない人の多さです。時には「ほとんどの人が無視しているのでは?」と思うほどの光景に出くわしました。 二階建てバスに乗っていると、信号を無視して横切る歩行者をバスがそのまま跳ね飛ばすのではないか、という勢いで走り抜けることにも肝を冷やしました。
なぜこれほど信号が守られないのか。おそらくその理由は、「信号の点灯時間が短すぎる」ことにあると思います。 青に変わって道路を渡り始めたと思ったら、渡り終える前にはもう点滅し始めている……。それでも大きな事故が多発しないのは、歩行者もドライバーも「自分の身は自分で守る」という自己責任の意識が浸透しているからなのでしょうか。

2. 「味付け」の概念が違う食文化
食事についても、やはり噂通り(?)のものを感じました。 ロンドンに6年半住んでいた友人からは「外食するならインド料理か中華を選べ」と忠告されていましたが、まさにその通り。
4つのホテルに宿泊しましたが、朝食はどこもほぼ同じメニューで、同じ味。というより、ほとんど味付けがされていないのです。「味は卓上の調味料で自分でつけろ」というスタンスなのでしょう。 素材の旨みを引き出す日本の「出汁」の文化とは、対極にある世界だと感じました。
その背景には、戦時中の長かった配給制度や、宗教的な「贅沢は不道徳」という考え方、食材の鮮度を補うための加工食品の発展など、歴史的な理由がいくつも絡んでいるようです。 とは書きましたが、美味しく頂いたレストランもたくさん有りました。


3. 圧倒的な「景観」の美しさと文化の厚み
しかし、そんなネガティブな要素を軽々と上回る素晴らしい点がたくさんありました。 何より感動したのは、街並みの美しさです。
歴史的な建造物を大切に保存し、現代でも活用し続けている。地方へ行けば、建物の色が統一され、新しい建物でさえその景観を崩さないよう建てられています。 地震大国である日本では、行政の建物はどうしても「味気ない箱」になりがちです。景観を条例で保護しているのは京都くらいではないでしょうか。 私の地元も「うだつの町並み」として歴史を売りにしていますが、一歩外れれば派手な看板が乱立しています。ヨーロッパの徹底した景観維持には、心底羨ましさを感じました。

4. ドレスアップという名の「文化」
また、パーティーの装いや雰囲気作りも日本とは全く異なりました。 男性はタキシード、女性はイブニングドレス。夜になればメイクも昼間とは明らかに異なり「ギア」が一段上がっています。
日本でドレスコードがあっても、ここまで文化として着こなせている人は少ないでしょう。日本における伝統文化といえば「和装」ですが、自分で着物を着られる人は1%もいないかもしれません。 いつから私たちは、自国の文化をここまで蔑ろにしてしまったのでしょうか。
私自身、イギリスへ「紋付き袴」を持っていくべきでしたが、スーツケースの重量制限に負けて諦めてしまいました。これからはせめて国内では、意識して紋付きを着る機会を作ろうと思っています。
人は変えられませんが、自分を変えることはできますから。



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