スタイル確立への旅(その1)
- 故島永幸
- 8月12日
- 読了時間: 2分
絵画のような写真表現について、昨日お話ししました。
今日は、それを私がどうやって「モノ」にしたのか──その経緯をお話ししたいと思います。
あれは、今から10年ほど前のことです。
私がフォトグラファー向けの勉強会グループを主宰していたとき、参加者の一人である友人から「海外のフォトコンペ」について教えてもらいました。
また、別の参加者が海外コンペの入賞作品集を持ってきてくれいてました。
それらを見たときの衝撃といったら──まるで雷に打たれたようでした。(実際に打たれたことはありませんが…笑)
実は、私がプロになろうと決意したきっかけには、ある強い想いがありました。
それは、姉の成人式の写真です。そこに写る姉は、まるで別人のようでした。
いつもの優しい笑顔ではなく、不機嫌そうな表情。
型だけをなぞり、個性が抜け落ちたその写真は、私にとって強烈な「反面教師」となりました。
だから私は誓いました。絶対に、あんな写真は撮らない。従来の写真館とは違う、私にしかできない写真を撮ろう──と。
しかし、実際の私はまだ「型」を破れてはいませんでした。むしろ、その型にはまっていたのです。
そんな中、海外の作品はまさに「型破り」でした。
美しく、個性的で、日本のそれとはまったく異なる世界。
私も「この世界に飛び込もう」と決意した瞬間でした。

とはいえ、その時点の自分では到底太刀打ちできないことも、容易に想像がつきました。「いつか作品を作って応募しよう」そう考えるうちに、月日はどんどん過ぎていきました。
やがて、仲間たちが挑戦を始めました。
「今回はダメだった」「またダメだった」──そんな声が聞こえてきます。
自分は何をしているんだ?このままでは、永遠に応募なんてできない。
まずは応募しなければ始まらない。
そう思い立ち、それまでに撮りためていた写真の中から4点を選び、アメリカのコンペ「WPPI」に応募しました。
ここは、審査が最も厳しいといわれるコンペです。挑戦するには、これ以上ない舞台でした。
さて──結果はいかに!?
つづきは明日(^^)
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