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人気漫画家に盗作疑惑――ファンとして、表現者として思うこと


人気漫画家に盗作疑惑

またしても「盗作問題」が起こったようです。渦中にいるのは、私が中学生の頃から大ファンだった人気漫画家。

シンプルなタッチなのに表情の表現が抜群で、センスあふれるギャグが魅力。近年はアーティストとして個展も開催されており、私もコアなファンの一人だと自負しています。




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問題となったのはイベントのメインビジュアル

今回の件は、あるイベントのメインビジュアルとして描かれたイラストがきっかけ。「元となった写真」と完全に一致するトレースされたものでした。ご本人から指摘され対処したということです。

これを「創作」と言えるかどうか。私は、残念ながら「言えない」と思いました。

ご本人の説明によると、インスタで見かけた「完璧に綺麗な横顔」を元に描いたもので、後に本人から承諾を得て再公開したとのこと。



ファンとしての落胆

実際にこの件についてコメントしたご本人のSNSには、1000件以上のコメントが寄せられていました。ざっと見ても批判的なものばかり。しかも過去に、この漫画家本人が「盗作を批判するコメント」をしていたことまで掘り起こされ、矛盾を指摘されていました。

私も今は「同じ表現者のひとり」です。憧れの人がやってしまったことに、正直落胆を覚えました。



コピーの影響は大きい

私自身も過去に、自分の作品をコピーされ、しかも同じコンペに応募されたことがあります。コピー作品2作もファイナリストに残ってしまい、トップ10の中に非常に似た作品が2つずつ、合計4つもあったのです。インパクトは薄れる一方で、審査の評価も分散してしまいます。

幸い私は1つが3位に残りましたが、もしコピーがなければ――もっと上位だったかもしれません。普段はコピーに寛容な私でも、そのときばかりは心穏やかではありませんでした。



模写とオマージュの違い

歴史に名を残す巨匠たちも、先人の作品を模写しました。しかしそれは学びの一環であり、今回のように「オリジナルをなぞって商用利用する」のとは意味が異なります。また、私自身が作るオマージュとも全く違います。



肖像権か、著作権か

今回の件でオリジナルとされたのは、写真家やイラストレーターではなく モデルさん本人。この場合は「著作権」ではなく「肖像権」の問題になるのでしょうか。

最終的には当事者間で話し合いがなされ、クレジット表記+使用料で解決したようです。けれども― 正直、どこか後味の悪さが残ります。

到底、彼お得意のギャグとしては笑えないものとなってしまいました。

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