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写真の著作権を考える ― コンテスト規約から保護期間の歴史まで


写真の著作権をめぐる2つの問題

SNSで写真の著作権について議論がありました。そこで取り上げられていたのは、大きく2つの問題です。



1. コンテストと著作権放棄の問題

 一部のフォトコンテストでは、「応募した時点で著作権を主催者に譲渡」「二次利用を無制限に許諾」といった規約が見られます。

これは広報利用に必要な使用許諾を超えており、応募者に著作権の放棄をほぼ強要する内容です。本来、必要なのは「使用の許可」であって「著作権の譲渡」ではありません。

応募前に必ず規約を確認し、自分の権利がどう扱われるのかを理解することが非常に大切です。



2. 写真の著作権は本当にカメラマンのものか?

 もうひとつSNSで見かけた意見はこんなものでした。

  • クライアントがお金を払って依頼している以上、クライアントの著作物として扱うべきでは?

  • 納品データの扱いも統一されておらず、JPEGだけ渡す人もいればRAWまで全て渡す人もいる。

  • 「著作権はカメラマンにある」というのは絶対ルールなのか?案件次第では違うのでは?

一理あるようにおもえます・・・

著作権法上は、撮影した瞬間に著作権はカメラマンに自動的に発生します。ただし、

  • 雇用契約での職務著作

  • 契約で著作権譲渡を明記した場合

このようなケースではクライアントに移ります。つまり「絶対的なルール」ではなく、契約によって変わり得るのです。


しかし「依頼されて作る」ことは芸術の世界では珍しくありません。歴史に残る名画のほとんどは注文によって描かれたものですし、映画やドラマの主題歌も依頼で作られます。 つまり、この考え方は、クリエイティブの本質を損なうものだと思います。

芸術作品で無くとも、例えば私が取材などで撮影したものであっても、再利用の際はその確認がなされ、二次使用料が支払われています。(これを勝手にやって、支払もしなかった某雑誌はお付き合いをやめました)



著作権の保護期間の変化

先日、写真家のハービー山口さんがラジオで話されていましたが、1899年の著作権法制定時、写真の著作権は発表からわずか10年しか保護されませんでした。

それが少しずつ改正され、


  • 1970年には 死後50年

  • 2018年には国際基準に合わせて 死後70年


と延長されてきました。この変化こそ、写真という表現が「芸術」として社会的に認められてきた歴史の証だと思います。



フォトグラファーに必要なこと

  • コンテスト規約を必ず確認すること

  • クライアントワークでは「著作権」や「使用範囲」を契約書で明確にすること

  • RAWデータの扱いについても事前に合意をとること

「知らなかった」では済まされない世界だからこそ、自分の作品を守る意識を持つことが重要です。



燃え上がる炎は、宗教儀式の護摩焚き
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