写真の著作権を考える ― コンテスト規約から保護期間の歴史まで
- 故島永幸

- 2025年8月30日
- 読了時間: 3分
写真の著作権をめぐる2つの問題
SNSで写真の著作権について議論がありました。そこで取り上げられていたのは、大きく2つの問題です。
1. コンテストと著作権放棄の問題
一部のフォトコンテストでは、「応募した時点で著作権を主催者に譲渡」「二次利用を無制限に許諾」といった規約が見られます。
これは広報利用に必要な使用許諾を超えており、応募者に著作権の放棄をほぼ強要する内容です。本来、必要なのは「使用の許可」であって「著作権の譲渡」ではありません。
応募前に必ず規約を確認し、自分の権利がどう扱われるのかを理解することが非常に大切です。
2. 写真の著作権は本当にカメラマンのものか?
もうひとつSNSで見かけた意見はこんなものでした。
クライアントがお金を払って依頼している以上、クライアントの著作物として扱うべきでは?
納品データの扱いも統一されておらず、JPEGだけ渡す人もいればRAWまで全て渡す人もいる。
「著作権はカメラマンにある」というのは絶対ルールなのか?案件次第では違うのでは?
一理あるようにおもえます・・・
著作権法上は、撮影した瞬間に著作権はカメラマンに自動的に発生します。ただし、
雇用契約での職務著作
契約で著作権譲渡を明記した場合
このようなケースではクライアントに移ります。つまり「絶対的なルール」ではなく、契約によって変わり得るのです。
しかし「依頼されて作る」ことは芸術の世界では珍しくありません。歴史に残る名画のほとんどは注文によって描かれたものですし、映画やドラマの主題歌も依頼で作られます。 つまり、この考え方は、クリエイティブの本質を損なうものだと思います。
芸術作品で無くとも、例えば私が取材などで撮影したものであっても、再利用の際はその確認がなされ、二次使用料が支払われています。(これを勝手にやって、支払もしなかった某雑誌はお付き合いをやめました)
著作権の保護期間の変化
先日、写真家のハービー山口さんがラジオで話されていましたが、1899年の著作権法制定時、写真の著作権は発表からわずか10年しか保護されませんでした。
それが少しずつ改正され、
1970年には 死後50年
2018年には国際基準に合わせて 死後70年
と延長されてきました。この変化こそ、写真という表現が「芸術」として社会的に認められてきた歴史の証だと思います。
フォトグラファーに必要なこと
コンテスト規約を必ず確認すること
クライアントワークでは「著作権」や「使用範囲」を契約書で明確にすること
RAWデータの扱いについても事前に合意をとること
「知らなかった」では済まされない世界だからこそ、自分の作品を守る意識を持つことが重要です。












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