top of page

歩行困難なお客様の証明写真。アナログ行政と高齢化社会の課題


困難な状況で来店されたお客様

手押し車で歩くお年寄り
AIイメージ

先日、お電話で証明写真のご相談をいただきました。 お客様は高齢で歩行が困難、手押し車で5メートル進むのがやっと、とのこと。

当社は車椅子の方にもバリアフリーでスタジオまで入っていただけることをお伝えしました。具体的な日程は決められなかったため、ご来店くださる際はお電話をいただくようお願いしていました。

数日後、お電話があり、近くまで来ているのでご来店いただくと。 連れて来られたのはご子息で、「今日は体調がいいから耳鼻科に行くと言うので、ついでに連れてきた」とのこと。どうやら、体調が良くないと外出も難しいようです。

90歳を過ぎたお婆様は腰が大きく曲がり、膝も悪く、車から降りるのも大変です。

手押し車につかまり、なんとかスタジオの玄関までたどり着かれたので、ひとまず椅子に座っていただきました。しかし、スタジオまで移動するのは困難な様子。 息子さん曰く「車椅子を持って来ておけばよかった」と悔やんでおられました。


市役所に確認した、驚きの「アナログ」な壁


解決策を練るべく、まず何の証明写真か伺うと、聴力低下による身障者認定のための申請だと判明しました。

私はまず、お客様の健康具合から、すでに身障者、あるいは要介護認定を受けているのではないか?あるいは、マイナンバーカードなどから今回の申請はできないものか?と考えました。 可能なら撮影は不要と思い、すぐに市役所に電話を掛けました。

担当の方いわく、それらとは別に「現在の顔写真が必要」と言われました。 自宅で撮ったものでも大丈夫という事だったので、ご自宅で寝た状態で上から携帯で撮り、それをこちらでプリントして差し上げる提案をしました。しかし、ご子息はご自身で撮影することに不安を感じておられるようでした。

仕方なく、今回は玄関の白壁を背景に、自然光で撮影することにしました。 市役所も写真のクオリティについては自宅撮影でも問題ないと言うくらいなので、写真館としてもっとクオリティの高い写真を提供したかったのですが、今回はお客様の負担を最優先し、この様な形で納めさせていただきました。


ペーパーレス化が進まない行政と、高齢化社会の課題


ペーパーレスが謳われて久しいですが、今回の様な申請がデジタルで完結すれば、撮影の費用や手間がかかりません。

まあ、自治体としては申請数が少ないものにデジタル化を進め、そのシステムの構築や保守運用に掛かる費用を考えれば、現状が良しということなのでしょう。 写真屋としては、少しでも売上が潤うので助かりますが。(笑)

それよりも、ご子息お一人で介護される現状は、自分に置き換えると、その大変さは想像に難しくありません。

特に高齢化が進む社会において、少ない額の年金に対し、増え続ける税負担。過去最高額を毎年更新する税収にも関わらず、社会保障は後退する一方です。

無駄遣いを改め、困った人にやさしい行政がなされることを節に願います。

コメント


bottom of page