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オマージュとコピー


先日、YOSHIKIがSNSでつぶやいた内容が、大きな反響を呼んでいるという記事を目にしました。発端は、あるアニメで流れた楽曲がX JAPANの「紅」に似ていたことです。

YOSHIKIさんはその件について、「この件、何も知らないんだけど、こういうのってあり?」「この制作チーム、事前に一言くらい言ってくれれば良いのに…」とポストしたそうです。



私はその楽曲を聴いていませんが、こう書くくらいですから、相当似ていたのでしょう。さらに「弁護士からも連絡きた」と書いたことで、ネット上では「ダサい」や「オマージュの範ちゅう」といった批判が飛び交い、炎上に発展。最終的にYOSHIKIさんは、「今回の件、急に連絡が来て驚いて、つい呟いちゃいました。お騒がせしてすみません。ごめんなさい。」と謝罪しました。



しかし、なぜYOSHIKIさんが謝らなければならないのでしょうか。これはよくある「盗作か?オマージュか?」問題です。

そもそもオマージュとは、オリジナルの作者に対するリスペクトから生まれるものです。無断で真似て作品を発表し、後から「オマージュでした」と言うのは通用しません。



もちろん、偶然似てしまうことも稀にあります。私自身、淡路島の夢舞台で撮影した作品とまったく同じ構図の写真を、私より先にJohnson Weeが撮っていたことがあり、友人から知らされて驚いたことがあります。しかし、その建築を見れば誰もが思いつく構図であることは否めません。ただし、そこに立つ人物のポージングがまったく異なるため、作品が語る物語は大きく違っていました。

今回の楽曲の場合、「紅」を知らない作曲家はいないと思うので、このケースとは少し違う気がしますが…。




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私もこれまで、名画や巨匠へのオマージュ作品をたくさん作ってきました。それらは見るからにオマージュとわかるものであり、必ずステートメントでその旨を明記しています。何のために作ったのか──その目的は、オリジナルの作者が伝えたかったことを改めて発信することです。この意図がないものは、オマージュとは呼べません。



ときどき私が作ったものとそっくりな作品や似た作品をコンペで目にすることもありますが、それを「オマージュです」と言われたことは一度もありません。俗に言う「パクリ」あるいは、「影響を受けた近似作」です。海外のフォトグラファーたちも、それについては「悲しい」と言います。 人は誰しも、いろんなモノを見ることで、少なからず影響をうけます。名画を残す巨匠達も模写をして尊敬する絵描きの足跡をたどります。だからマネすることを恥ずかしく思う必要はありません。ただし、オリジナルに対してはリスペクトをすることを忘れてはいけないと思います。



ところで、私は「どんどんやって?」と思っています。だって、オリジナルは私なんですから(^^)


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