スタイル確立への旅(その5)
- 故島永幸

- 2025年8月16日
- 読了時間: 2分
受賞した作品には、それまでとは違う手応えを感じていました。偶然ではなく、意図したものが評価された。その感触は、私に大きな自信を与えました。

撮影やレタッチでは、特別な「絵画風加工」をしていたわけではありません。むしろ意識していたのは、ハイライトやシャドウの細部までディテールを大切にすることです。
それが結果として“絵画のように”見えたのです。
そこに加えたのが、ストーリーテリング。被写体の表情、ポーズ、光の方向、背景や一緒に写し込む小物全てに意味を持たせ、一枚の中に物語を持たせました。見る人が自然と物語を想像できるように。それがインパクトとオリジナリティを生み出しました。

この考え方の礎をくれたのは、David Edmonsonのセミナーでした。彼は「物語を広げる方法」や「名画から学ぶこと」を、具体的な作品分析を通じて教えてくれました。
その影響で、私は改めて西洋美術を学び直すことにしました。
ルネサンス、バロック、ロマン主義、印象派。
名画を生み出した巨匠たちが、構図や光、色彩、視線の導き方にどんな意図を込めたのか。そして、彼らが何を伝えようとしていたのか。学びを深めるうちに、コンペで高評価を得ている作品の多くが、論理的に理解できるようになりました。
やがて私は、巨匠たちの名画へのオマージュとして、彼らが伝えようとしたメッセージに再びスポットライトを当てることにしました。それは単なる(マネ)模倣ではなく、現代の私の技術で再び彼らが伝えたかったことを、再生産するということです。
こうして得た知識と経験が積み重なり、自分の中に一本の芯 “スタイル” が形づくられていきました。それは、ただの技法や見た目の特徴ではなく、作品の根底に流れる哲学そのものです。そして今も、このスタイルは私の撮影と作品づくりの軸として、次の挑戦へと導き続けています。
実はもう一人、私に最も大きな影響を与えた人物がいます。 それは・・・
次回、いよいよ最終回!











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