スタイル確立への旅(その3)
- 故島永幸
- 8月14日
- 読了時間: 3分
アワードセレモニーに出席するにあたり、私は羽織袴を準備しました。目立ちたいからではなく、「日本人もここに来ている」ということを示したかったのです。
ラスベガスへ向かう前に、友人であるアメリカ人フォトグラファーからこんな話を聞かされました。「日本ってカメラはいいけど、フォトグラファーっているの?」──そんなふうに言う人がいる、と。つまり、海外コンペで日本人の名前をほとんど聞かないことを揶揄していたのです。
正直カチンときましたが、反論できませんでした。高い評価で目立つ日本人フォトグラファーは、ほとんどいなかったからです。せめて「日本人も来ている」という存在感だけでも示したい──そう思い、着物を持って行くことにしました。
ベガスで着付けをしてくれる人はいないので、自分で着られるように練習。先生はYouTube(笑)です。
さて、アワードセレモニーの話に入る前に、WPPIについて少し説明しておきます。Wedding & Portrait Photographers International──WPPIは、アメリカ最大規模のコンベンション(トレードショー)です。日本では見たこともないようなアルバムや機材が並び、カメラメーカーは巨大なブースを構えます。そのブース・ステージには、コンペで実績を残したマスターフォトグラファーたちが次々に登壇します。つまり、コンペで活躍することは、この場で大きな脚光を浴びることを意味します。世界中のフォトグラファーが集まるWPPIで評価されるということは、それほど尊敬される存在になるということです。こうした業界の光景を見るたびに、「日本にも国際的なコンペがあったら…」と、強く思います。
話を戻しましょう。アワードセレモニーは、信じられないほど大きなホールで行われます。遠くの席からも見えるよう、特大スクリーンが3つ設置されています。羽織袴を着ていても、新参者の私は友人たちと後方の席へ。会場が暗くなり、セレモニーが始まります。ボスのJerry Ghionisがウィットに富んだスピーチで会場を沸かせます(私には理解できませんが…笑)。
プレゼンターは憧れのグランドマスターたち。各カテゴリーごとにTOP3が発表され、1位の人が壇上でトロフィーを受け取ります。
驚くのは、TOP3に同じ人が複数入っていることが珍しくない点です。やはり表彰される人は、偶然ではなく必然。その実力があってこそ、その場に立てるのです。
そしていよいよ、私が表彰される可能性のある「プレ・ウェディング・カップル」の発表です。最初に呼ばれたのはオーストラリアのAries Tao(今では友人です)。次に──私の名前が!そして、さらにもう一度、私の名前が呼ばれました!
なんとTOP3に、私の2作品が選ばれていたのです❗

結果は……明日を震えて待て(笑)(引っぱるなー、いつになったらスタイルの話になるんだ?)
Comments