スタイル確立への旅(その4)
- 故島永幸
- 6 日前
- 読了時間: 3分
TOP3に私の作品が2つも入っている!
しかし、ここで嫌な予感がしました。前回のブログにも書いたように、この日、私と同じく1人で2作品をTOP3に入れていた人が他にも3人ほどいたのですが、誰も1位を取れていなかったのです。

「もしかして、自分も同じパターンなんじゃ…」そんな不安がよぎります。
ドキドキしながら発表を待ちます。プレゼンターのMichele Neal Celentanoが「Winner is… Nagayuki Kojima!」と告げた瞬間、私は「うそ!本当に?やった?」と半信半疑。
とにかくステージへ向かいますが、後方席だったので歩く距離が長いこと長いこと。

ステージでトロフィーを受け取り、Micheleと記念撮影。オフィシャル・フォトグラファーがシャッターを切ります。
同じプレ・ウエディング・ディビジョンでは、私がレタッチとプリントを担当した友人、日系アメリカ人のレスター・ミヤシロも1位を獲得していました。彼はこの作品のために、わざわざ徳島の私のスタジオまで来て、私の家に泊まり込みで制作に臨んだのです。だからこそ、お互いをまるで自分のことのように喜び合いました。
ところで、私より高い点数が出ていたのに私が勝った理由です。私自身細かいことを理解出来ていなかったのですが、全ての審査終了後観衆を退席させ、得点順に上位10作品を一同に並べジャッジを総入れ替えし、点数に関係なくTOP3を決めるということでした。点数は審査の流れの中で1点2点の誤差は出てしまいます。でも同時に見ると点数とは別の視点が産まれます。どっちがインパクトが強いか?ここにもこのコンペの拘りが見て取れます。

その日の昼間、セミナーを受講したDavid Edmonsonが私を見つけると、何も言わずにハグをしてくれました。驚くほど長く、そして強く。こんなふうに、心から他人を祝福する文化を私は知りませんでした。
授賞式も終盤、3位のトロフィーを受け取っていると、信じられない出来事が。業界のキングともいえる、世界最高峰のフォトグラファーJerry Ghionisが私のもとへ歩み寄り、「一緒に写真を撮ろう」と声をかけてくれたのです。まさに夢のような瞬間でした。
私は「日本ではイベントが無事に終わったとき、三本締めというものをするんです」と、その場で彼を巻き込み三本締め。ちょっとした日本文化の輸出です。(^^)そして、このチャンスを逃さず、JerryとFacebookで友達になりました。
フォトグラファーとして初めて訪れたアメリカは、私を完全に虜にしました。翌年も彼らは私を見つけると「よく来たね!」とハグしてくれます。まるでファミリーの一員として迎え入れてくれたようでした。
海外のコンペにリアルで参加することは、世界に友達の輪を広げる(友人との再会を楽しむ)場であり、同時に最高の舞台で互いにしのぎを削る場所。それは、私のモチベーションを何倍にも高めてくれるものでした。
明日につづく・・・
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