PhotoshopがChatGPTと連携!便利そうだけど「プロは使えない」かな?
- 故島永幸
- 5 分前
- 読了時間: 3分
画像編集の未来?それとも…?
私たちフォトグラファーにとって、Adobe Photoshopはまさに「暗室」であり、表現のための体の一部と言っても過言ではないアプリケーションです。
2023年9月、Photoshopに生成AIが本格搭載されてから、私たちのワークフローは激変しました。さらに先日、Adobeよりも先行するGoogleの「Nano banana」や「Flax」といった生成AIモデルを搭載したというニュースには、その進化のスピードと柔軟性には驚かされたばかりです。
そして今度は、なんと「ChatGPTにPhotoshopが組み込まれる」というニュースが飛び込んできました。
ChatGPTで何ができるようになったのか?
OpenAIとAdobeの連携により、ChatGPTの画面上で以下のようなPhotoshopの機能が使えるようになったとのことです。
特定のオブジェクトの編集・削除
明るさ、コントラスト、露出などの基本調整
グリッチやグローなどのクリエイティブな効果
画像の切り抜き(クロップ)やマスク処理
言葉で指示するだけでこれらができるなら、夢のような話です。早速、私も期待を込めて試してみました。

実際に試してわかった「プロが使えない」決定的な理由
結論から言います。
「現時点では、製品版のPhotoshopを使った方が100倍思い通りのコントロールができる」
というのが正直な感想です。
チャットでの指示は手軽ですが、微調整のたびに再生成を待つのは逆にストレスになりま
す。とはいえ、今回の連携は一般の方を対象としたものでは無いかと考えます。プロは製品版で十分ですもの。

【重要】「カラープロファイル」が削除されてしまう
これが最大の問題点です。
画像にはカラープロファイルという、いわば「血液型」のような情報が埋め込まれています。sRGBやAdobeRGBなど、正しい色を表示・印刷するために不可欠なタグです。
ChatGPT経由で処理を行い、ダウンロードされた画像を確認すると、このカラープロファイルが削除されてしまっていました。
これはプロとして「色の管理ができない」ことを意味します。
どんなにChatGPTのプレビュー画面上で綺麗に見えていても、ダウンロードした瞬間に「色がくすんで見える」「意図した色と違う」という事故が起きてしまっては、仕事では使えません。
初心者にとってのメリットは?
では、Photoshopの知識がない一般の方にとってはどうでしょうか?
正直なところ、既存の画像の明るさを言葉で調整しようと四苦八苦するくらいなら、「Nano Banana」などで最初からプロンプト(呪文)を打って画像を生成してしまった方が、よりクリエイティブで、かつ楽に面白い画像が作れる気がします(笑)。
結論:今はまだ「待ち」のフェーズ
厳しいことを書きましたが、現時点では「プロの現場投入は不可」「初心者でも用途は限定的」と言わざるを得ません。
しかし、AIの世界はとてつもないスピードで進化しています。
今は使い物にならなくても、1年後、いや半年後にはカラーマネジメントの問題を解決し、製品版Photoshopを脅かす存在になっている可能性もゼロではありません。
今はまだ「製品版Ps」の優位性は揺らぎませんが、今後の進化たのしみに待つのもありかもしれません。







