top of page

WPPI/ICON Awardsライブジャッジ見学|写真審査の変遷と「称号」の真価


ICON Awards 2日目:ライブジャッジで見えた「審査の変遷」

WPPIに続き、2日目も「ICON Awards」のライブジャッジを見学してきました。朝から晩まで、丸一日どっぷりと写真審査の世界に浸る時間です。


IconAwardの公開審査風景
チェアマンはICON グランドマスター、オーストラリアのトニーヒューイット氏。いつも気さくに話しかけてくれます。

コンペがWPPIからICONへと移行し、審査スタイルは大きく変わりました。以前は誰でもプリントコンペに応募できましたが、現在はオンラインでの1次審査を通過した「Top10」のみがプリント・ファイナルに進める形式です。

この変更に伴い、ジャッジのコメントも「改善点」ではなく「良い点」のみを語るスタイルになりました。しかし、個人的にはかつての「良い点と改善点の両方を指摘されるスタイル」の方が、より学びが多く、自身の成長に繋がっていたと感じてしまいます。



「難解な名作」を救う、チャレンジシステムの重要性

何より惜しまれるのは、かつて存在した「チャレンジシステム」の不在です。 これは、一度出た点数に対して納得がいかないジャッジがいた場合、異議を申し立てて再審議を促せる仕組みです。実は、私が過去に好成績を収めた作品はすべて、このチャレンジによって評価が覆ったものでした。

優れた作品の中には、非常に奥深いメッセージを内包しているがゆえに、初見では意味に気付かれずスルーされかねないものもあります。歴史に名を残す名画がそうであるように、画面全体にメッセージが隠されている場合、その「作者の声」を読み解けるジャッジが一人でもいれば、作品の価値は一気に跳ね上がります。

ICON Awardsも、多様な視点をすくい上げるかつてのシステムに戻ることを、切に願ってやみません。


世界最高のウエディング・フォトグラファー、ジェリー・ギオニス
もう1人のチェアマンは世界でただ1人、ダブル・グランド・マスターの称号を持つ、世界最高にして最強のジェリー・ギオニス

ラスベガスの夜、突きつけられた「称号」の重み

夕方まで審査を見学した後は、Fundy Designerの南米アンバサダーたちと共に、ラスベガス市内にあるドイツ風ビアホールへ。

最初は、スペイン語で盛り上がる彼らの中に、英語もままならない私は完全に取り残され、放置状態でした。しかし、遅れて合流した社長のジョナサンが、私をこう紹介してくれた瞬間に空気が一変します。

「彼はWPPIの『ダブル・マスター』であり、BIPPの『ダブル・フェロー』なんだ」

その言葉を聞いた途端、彼らの態度は180度変わり、「マジかよ!」と握手と賞賛の嵐に。SNSをチェックしては「いいね!」やフォローが飛び交う、まさに「水戸黄門の印籠」を見せたかのような劇的な変化でした。


日本と世界の「フォトグラファーの地位」の差

驚くべきは、そうして私を称賛してくれた彼ら自身のフォロワー数が、4万人超えなどは当たり前で、私の10倍〜20倍もいたことです。

それほどの発信力を持つ彼らが、フォロワー数という数字以上に「プロとしての称号(タイトル)」に最大のリスペクトを払う姿を見て、改めて日本におけるフォトグラファーの地位の低さを実感せずにはいられませんでした。日本では同じ業界内であっても、ダブルマスターという称号に対して「ふーん」といった淡白な反応をされることも少なくないからです。

トップ10に残った作品
トップ10に残ることはオリンピックに出るようなもの。例えトロフィーが取れなくてもここに残っただけでも栄誉であると、トニーは語っていました。

さて、翌日はいよいよコンペの表彰式。 この熱い審査を経て、一体どのような結果が待っているのか。期待と緊張が入り混じる夜となりました。

コメント


bottom of page