フォトグラファーが見た「フードフォト案件」の裏側:プロの価値と価格競争の闇
- 故島永幸

- 2025年12月5日
- 読了時間: 3分
1. 英国企業からの突然のオファー:高まる地域での撮影需要
昨日、一通のメールが届きました。
それは、フードフォトの撮影請負を専門とする会社からのもので、「地域の撮影需要が伸びているので、撮影に興味はないか?」という内容でした。会社名と担当者(海外の方)の名前だけで、仕事の詳細は一切書かれていません。
ネットで検索してみると、その会社はイギリスを拠点としており、確かにフードフォトに特化した事業を展開していることが確認できました。
2. 「詳細」から見えた、プロの仕事に対する評価の現実
私の主軸はポートレートですが、フード撮影も得意で好きな分野です。まず詳細を教えてもらうよう返信したところ、ほんの数分で内容が送られてきました。そこには、撮影ノウハウを記したサイトのリンクや、具体的な交通費、そして肝心の撮影費が記されていました。
送られてきたノウハウは、プロなら誰もが知っている当たり前のことばかり。逆に、これを見て初めて「肯く」レベルの人を探しているのではないか?という嫌な予感がよぎりました。
そして、撮影費、すなわちギャラを見た瞬間、その予感は的中します。それは、とてもプロフェッショナルな仕事として請け負えるような金額ではありませんでした。
3. プロのプライドと国際的な資格で示す「適正価格」
相手がイギリスの会社であることを踏まえ、私はBIPP(英国プロ写真家協会)のダブル・フェローという国際的な資格を持っていること、そして、その資格が示す通り、仕事の完遂に高い信頼とクオリティを置けるプロであることを伝えました。
その上で、この案件を受けるには、最低でも提示額の5倍のギャラが必要である、と毅然と返信したのです。
すると、先ほどの迅速なレスポンスとは相反し、一切の返事が途絶えました。
4. ビジネスライクの壁と、写真家の「明日」への危機感
これは、ビジネスに繋がらない相手には、もう時間を割いて返事を送る意味はない、という海外企業の**クール(ビジネスライク)**な判断なのでしょう。日本人と違い、ドライだと評される海外ビジネスの一面を見た気がします。
しかし、私が本当に問題視しているのは、その「返事なし」という態度だけではありません。
低すぎるギャラで仕事をもらい、細々と生計を立てなければならないような**「下請け業務」**と成り下がったフォトグラファーに、明日という未来は本当にあるのでしょうか?
このメールは、私たちプロのフォトグラファーが、自らのスキルと作品の価値をどこに見出し、どのように市場と戦っていくべきか、改めて問いかける出来事となりました。












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