成人式の前撮りで後悔しないために。プロが教える「写真館と着付け」の本当の選び方

先日、日頃から尊敬している美容師の先生と話していた際、深く共感し、また考えさせられる出来事がありました。

先生のもとへ成人式当日のご相談にいらしたお客様が、「前撮りを子供向けスタジオ（大手チェーン店）で撮ってきた」と写真を見せてくださったそうです。

先生いわく、その写真に写る着付けは**「プロとして看過できない」**レベルだったそうです。

しかし、お客様ご自身はその事実に気づかれておらず、疑問を持たれていないご様子だったとのこと。

これを聞き、私自身が婚礼写真の現場で多くの美容師先生とご一緒した経験が重なりました。

私たちから見て、着付けの技術者は大きく3つのタイプにいらっしゃいます。

不思議なことに、「仕事は遅いが美しい」という方には、いまだお目にかかったことがありません。

「速さ」と「美しさ」は、修練された技術において比例するものです。

実はこの話、私たち写真業界における「振付（ポージング）」の技術にも全く同じことが言えます。

同業者として尊敬できる技術を持つ人がいる一方で、

残念ながら、こういったケースも多数、見られます。

特に着物は、お客様の体格やお着物の柄行（がらゆき）に左右される、非常に難易度の高い技術です。私自身も「これで完璧」と思うことはなく、日々研鑽を積んでいる最中です。

昨今、InstagramやSNS等で非常に安価な撮影プランを目にします。

しかし、その中にはプロの品質基準に達していないものも正直散見されます。キャリアが浅く、きちんとした修行経験がないまま、SNSでの集客テクニックだけで撮影を請け負っているケースも少なくないのが現状です。

冒頭の話に出たスタジオも、撮影・着物・着付け・ヘアメイク込みで、信じられないほどの低価格設定だったそうです。

私たちプロフェッショナルには、そのような価格で仕事を提供することは不可能です。

なぜなら、「失敗のない確かな技術」にたどり着くまでに、膨大な時間と費用を投資しているからです。物の値段には、必ず正当な理由があります。

一朝一夕にはいかない技術の習得よりも、目先の集客を優先する傾向が一部で見られますが、同業者からも尊敬される仕事を追求することこそが、プロとしての責務ではないでしょうか。

お客様に強くお伝えしたいのは、「ご自身の価値を下げないでいただきたい」ということです。

本物を知る人が見た時、またご自身が年齢を重ねて目利きになった時に、「残念だ」と思われる写真を残しては、大切な思い出が台無しになってしまいます。

実際に、モニター募集などで安価に撮影されたものの、仕上がりに納得がいかずSNSで不満を漏らすケースをよく目にします。

また、他社で「セットで安いから」とお願いしたものの、「我慢の限界を超えた」と、当店へ撮り直しに来られるお客様も後を絶ちません。

意味のない大量のデータを受け取るよりも、心に響く至極の1枚を残すべきです。

インフレの昨今、可処分所得が減り、節約志向になるのは私も同じです。

しかし、節約すべきものと、投資すべきものを分ける賢明さが求められています。

お子様の未来にのこる大切な記憶には、ぜひ「本物の贅沢」を選んでください。

私のキャリアや、こうしたこだわりをご覧になり「高額なのでは？」と心配される方もいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。

当店は、良心的な**「田舎価格」**にて、誠心誠意撮影させていただいています。

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