Adobeのイベントにブース出展という形で初参加。そこで感じた、写真業界への静かな危機感。
- 故島永幸

- 4 日前
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初めてのブース出展。
5月30日、大阪梅田・TKPガーデンシティPREMIUM大阪梅田新道で開催された「Creator Connect Meetup in Osaka」に参加してきました。
Adobe主催のこのイベント、「NAGAYUKI KOJIMA - Education」としてコミュニティブース出展という形での参加は、今回が初めてです。
これまでセミナーや勉強会には参加者として、また時には登壇者として、足を運んできましたが、出展側に立つのは少し違う景色でした。自分のブースに立って、訪ねてきてくださる方と話す。その感覚は、撮影する側と撮影される側が入れ替わるような、なんとも不思議な体験でもありました。

異業種のクリエイターたちと話すということ。
当日は250名定員のイベントで、デザイナー、映像クリエイター、イラストレーター、Web制作者……実に多彩な顔ぶれが集まっていました。
ブース交流やネットワーキングの時間を通じて、普段なかなか接点のない他業種のクリエイターたちと直接話ができたのは、率直に言って収穫でした。みなさん、それぞれの現場で仕事とどう向き合うかを真剣に考えていて、その熱量は本物でした。
ただ——そこで私は、あることに気づいてしまいました。
会場を見渡しても、フォトグラファーらしい人がほとんどいないのです。
フォトグラファーが、いない。
デザイン、動画、イラスト、Web。そうした分野のクリエイターたちは、こういった場に積極的に出てきています。勉強し、繋がり、情報をアップデートし続けている。
それに対し、写真業界はどうでしょうか。
私は一人の業界人として、正直なところ、危うさを感じました。
技術の進化や市場の変化に対して、「自分は写真のプロだから」という意識が、良くも悪くも他業界との交流を遠ざけているのかもしれません。あるいは単純に、こういったイベントへのアンテナが低いのか。どちらにせよ、今の時代に情報の流れる場所から距離を置くことは、少しずつリスクになっていくと思います。
私がセミナーに参加し続ける理由。
今回のイベントでも、複数のセッションに耳を傾けました。
ただ、私がセミナーや勉強会に参加するとき、正直に言うと「技術を覚えに来ている」わけではありません。新しいAI機能の使い方や、ソフトウェアのアップデート情報は、それだけが目的なら後からでも調べられます。
私が一番知りたいのは、登壇者の「思考の組み立て方」と「哲学」です。
この人はどんな問いを立てているのか。何を大切にしながら仕事をしているのか。どんな視点で時代の変化を捉えているのか。
その部分は、資料には書いてありません。その人が話す言葉の選び方、間の取り方、たとえ話の引き出し方——そういうところに、にじみ出てくるものです。それを感じに行くために、私は足を運び続けています。
最後は、メンタルタフネス。
AIがクリエイターの仕事を変えていく——そんな文脈の話が、今回の会場のあちこちで交わされていました。
私はその議論を聞きながら、こう思っていました。技術は学べます。知識は積めます。むしろそれは、プロであれば当然持っているべき前提条件です。
でも、それだけでは生き残れない時代になっていると、私は感じています。
最後に問われるのは、メンタルタフネス「心の強さ」だと思っています。
うまくいかない日が続いても、時代の変化に翻弄されても、自分のやっていることの意味を信じ続けられるかどうか。折れずに、腐らずに、次の一手を打ち続けられるかどうか。それが、技術や知識と同じか、それ以上に重要なことだと——写真という仕事を長く続けてきた中で、強くそう感じています。
そのことが頭にあるからこそ、今夜のオンライン・サロンに、ある方をお招きしました。
キヤノンのインクジェットプリンター開発者であり、発明者でもある中島一浩氏です。
いまや写真プリントの世界で当たり前のように使われているインクジェット技術も、その開発の裏には数え切れないほどの失敗と挫折があったはずです。それを乗り越えてきた方の言葉を、直接聞きたかった。華々しい「成功談」ではなく、折れそうになりながらもそこから立ち上がった「精神のありか」を知りたかったのです。
技術の話なら本や動画で学べます。でも、壁にぶつかったときに自分を支えるものは何か——それは、同じような場所を歩いてきた人の言葉からしか、受け取れないと思っています。
今回のイベントで出会ったクリエイターたちの目の輝きを見ながら、そのことを改めて確かめた気がしました。
また来年もこんな機会があれば、ブースを出したいと思っています。


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